Projects

中間アヤカ「踊場伝説」セノグラフィー

Scenography for Ayaka Nakama “the Odoriba Legend” at Kyoto International Performing Arts Festival 2023

ダンサーの中間アヤカによる『踊場伝説』のための仮説劇場。
中間は関西コンテンポラリーダンス界において生み出され、語り継がれてきた、ダンスにまつわる数々の「伝説」の構造をひもとき、展示やパフォーマンスへと再構築し、この劇場で発表した。ガラージュは京都の空地に、伝説の内側へと呼び込む装置/結界としての劇場を設計した。
この劇場は一連のイベントの最終日に観客や出演者、街の人々に見守られながらパフォーマンスの一部として解体された。

A temporary outdoor theater for “Odoriba Legend”, a play by dancer Ayaka Nakama. Portions of the play revolves by disassembling “Legends” (or myths) born and passed down within the contemporary dance community in Kansai, and reassembling them into exhibits and performances.
In an empty lot in Kyoto, Garage designed the theater as a device that takes the audience inside those legends.
At the end of the play’s run, the theater was demolished under the benevolent watch of the audience, the performers, and the city folk.

October 2023

改修 ドーモ・キニャーナ

Renovation DOMO KIÑANA

象設計集団によって設計され、1992年に竣工した家の、30年目の改修プロジェクト。彼らが残した現場変更図のアーカイブ、建主や施工に関わった工務店や職人へのヒアリングをもとに建物全体の分析から始め、この地域の四季を感じながら現設計の軸線を再解釈して改修することで、家全体がより広く、より外部へ開けたものとなりました。
この家は、設計当初から今まで、何度も建築のかたちが見直され、つくり変えられてきています。家と住まい手が共に変化し続けているこの楽しく大らかな関係性の中に、私たちは未来へ向けて建築をつくり変えていくことの豊かさと可能性を実感しています。

First completed in 1992, this is a 30-year renovation project of a house designed by renowned Japanese architectural design office Atelier Zo. Atelier Zo formed in the 1970s and have produced many masterpieces whilst keeping their eyes open to the environment and diversity from an early stage.
The house being rethought and reworked many times since its initial design, its inhabitants and the house itself are ever-changing; creating a relationship that is joyful and generous. Through being a part of this relationship, Garage realized that changing and remodeling architecture for the future holds rich possibilities.

2023年4月

建築映画館

Architecture in Cinema

建築映画館は、建築をテーマに映画を上映する映画祭です。製作国、時代、ジャンルに縛られず、建築に関連する映画を選定し、上映を行います。今年度は「構造」「建築と人物」「図面」「アーカイブ」「都市」の5つのテーマに分けて作品を紹介しました。また上映に併せて、映画・建築双方の分野からゲストを招きトークショーを開催しました。
映画館という建築物に集うことで、映画のなかの建築をフレームの外へ拡張させ、実際の都市・建築の議論へとフィードバックすることを目指しています。

2023年02月

改修 城崎温泉のゲストハウス

Renovation of Guesthouse in Kinosaki

関西屈指の温泉街、城崎温泉に位置する書店&ゲストハウス&カフェバー「Bookstore iChi」のゲストハウス部分の改修プロジェクト。
開湯1300年の歴史を誇る城崎温泉には『まち全体を⼀つの⼤きな宿』という考え方が根付いており、観光客は下駄と浴衣を纏って、7つの外湯を巡りながら、そぞろ歩きを楽しみます。多くの小説家や歌人俳人にも愛され、志賀直哉が『城崎にて』を執筆したこの地で、古い木造民家を改修し、本と温泉とそぞろ歩きを楽しむ拠点をデザインしました。

2022年10月

喜界島建築フィールドワーク2022

Architecture Fieldwork on Kikaijima 2022

「100年かけて劇場をつくるプロジェクト」の一環として、喜界島に集落調査等の建築学的なアプローチを試みるための調査メンバーを公募。喜界島サンゴ礁科学研究所に集まる他分野の研究者や学生とデータを共有し合い、現地でのフィールドワークを交えながら議論し、多様な情報が集約された島や集落の図面や模型を制作しました。
異なる分野の知見が混ざり合うことによる新たな図面や模型表現のあり方を模索し、地質学的・海洋学的な時間・空間のスケールを取り込みながら、建築やその周辺環境についての将来的な持続可能なあり方について考える場を作ることを目的としています。

2022年08月

芝居小屋シェアハウス

Theatre Share house

演劇と観光を学ぶ大学生のためのシェアハウス。先に住人となる学生が決まっていたため、「どのように住みたいか」をワークショップ形式で抽出しながら設計アイデアに落とし込んでいきました。
各住戸は最小限とする代わりに、稽古ができるスタジオを大きく設け、その周辺を縁側と土間、2階へは吹き抜けとラウンジで繋ぎ、街から風景までを一体に感じられる共用部をつくりだしました。多様な視線の抜け方により舞台性が生まれており、生活しながらも常に観る/観られる身体感覚を呼び起こされる、芝居小屋のようなシェアハウスです。ガラージュもまた、この小屋の登場人物として存在しながら活動しています。

2022年7月

100年かけて劇場をつくるプロジェクト

100-year-project to produce a theater

喜界島サンゴ礁科学研究所とガラージュは共同で、「100 年かけて劇場をつくるプロジェクト」を発足しました。
国際的にも稀少な隆起サンゴ礁の島で、豊かなサンゴ礁生態系、島に根付くサンゴ礁文化を 100 年後に残すということを、常にその時々の人たちが考え続けられる場をつくっていきます。

何を、どのように、残していくのか。「100 年後に残す」を理念として活動しているサンゴ研とそこに集う人々が、自分の一生を超える範囲で考えながら実践し、試行が蓄積されていくフィールドを共につくりたいと思います。劇場の本質とは、人と地面と建築とその集合の相互作用であると捉え、大地を形づくるサンゴの生態とサンゴ礁文化に寄り添い、土を踏み固めながら人が集う場所を拓いていきます。

2022年05月〜

カバン職人のシェアアトリエ

Craftsman's Share atelier

カバンの生産量が日本一の街、豊岡市。カバン店が多く連なる「カバンストリート」の空きビルを改修し、新たなクリエーター拠点をつくるプロジェクト。店舗にアトリエスペースとコミュニティスペースを併設し、ものづくりの循環を生み出します。店舗の什器には、廃棄となった鞄生地の抜き型を使用しており、転換点を迎えた地場産業と若手クリエーターとの出会いを演出しています。

2022年5月

© Garage