
喜界島のゲストハウス
Guesthouse on Kikai-jima Island
喜界島にある旧荒木小学校の一部をゲストハウスに改修したプロジェクトです。
既存の小学校の雰囲気をなるべく残したまま宿泊施設につくり変えることをコンセプトとし、三つの教室とそれらをつなぐ廊下部分を小学校建築のモデュールに合わせて一体的に設計しました。
2025年3月
喜界島にある旧荒木小学校の一部をゲストハウスに改修したプロジェクトです。
既存の小学校の雰囲気をなるべく残したまま宿泊施設につくり変えることをコンセプトとし、三つの教室とそれらをつなぐ廊下部分を一体的に設計しました。
中央の教室はキッチン、トイレ、洗濯機置場、シャワーブースを備えた設備空間を最小限のヴォリュームで設計し、かつ既存壁面および天井から切り離し独立させることで、解体範囲を最小限にとどめ古い壁面や天井をそのまま残しています。
両側の二つの教室はそれぞれ宿泊室とし、一方は壁で仕切られた個室群、もう一方は既製品の二段ベッドを加工した宿泊ユニットを設計し、個人の空間を確保しました。
クライアントは喜界島サンゴ礁科学研究所と包括協定を結んでいる航空会社の日本エアコミューター株式会社(通称: JAC)です。
このプロジェクトは、島外からの観光客だけでなく、喜界島を研究対象とする研究者や学生等のさまざまな人々をターゲットにしながら、宿泊と移動を一体的に考え地域共創の一助にもなるように構想されました。
ガラージュは「喜界島建築フィールドワーク2023」の現地調査中にこのプロジェクトの依頼を受け、今までフィールドワークのために島内に滞在してきた経験も活かしながら、設計に取り組みました。
また、既存の小学校は戦後に普及した一般的なRC造小学校建築の形式で設計されていることから、教室のモデュールに合わせた寸法による設計となっており、今後他の旧小学校を対象としたプロジェクトへの展開も可能なものとなっています。
Data
所在地:鹿児島県喜界町
用途:ホテル
階数:地上2階(改修部分: 地上1階)
主体構造:1~2階=RC造
延床面積:199.99㎡
建主:日本エアコミューター株式会社
施設名:JAC HAUS
設計:ガラージュ
設計協力:柴田達乃助、吉武洋輔
現地調査協力:川本航佑、後藤健太、柴田達乃助、吉武洋輔
施工:中村建設有限会社
設計期間:2024年3月〜2024年12月
施工期間:2024年12月〜2025年3月
写真:ガラージュ